先駆者たちのMY RANGE ROVER - 小山薫堂さん(放送作家)

Text: Ryoji Fukutome  ・ Photos: Masahiro Okamura @ Crossover ・ Styling: Kaz Ijima @ Balance

各界の「先駆者」にレンジローバーオーナーならではのエピソードを語ってもらうこの企画。第3回目のゲストは、伝説のテレビ番組『カノッサの屈辱』『料理の鉄人』など、独創的かつ斬新な視点をもって流行を生み出してきた先駆者、小山薫堂さん。そんなトレンドセッターが、頑なにレンジローバーを愛し続ける理由とは?

小山薫堂さんは、レンジローバー歴25年。筋金入りのレンジローバー乗りである。はじめて購入したのが、26歳のとき。1991年のことであった。

「当時は“砂漠のロールスロイス”と謳われていて、それに憧れたのもあります。ただ20代半ばにスキーをはじめまして、雪道を走るため、かつ都会で乗っていて格好いいクルマは?と考えると、レンジローバー以外の選択肢はなかったですね」

91年というと、小山さんは仲谷昇教授の「やぁみなさん、わたしの研究室へようこそ」という決まり文句ではじまる人気番組『カノッサの屈辱』の構成作家を担当していた頃。バリバリに忙しい時期でもあった。

冒頭で、スキーをはじめたと言っているように、この頃に小山さんはライフスタイルそのものを変えようと考えたそうだ。

「はじめのレンジローバーを買ったときは、ただクルマが欲しかっただけではなくて、むしろライフスタイルを変えたかった。クルマを買うのは、洋服を買う感覚とは当然違います。やはり高い買い物です。ただそれがライフスタイルを変えたいという目的であれば、決して高い投資ではないと考えたんです」

そして、ライフスタイルはガラッと変わったという。

「スキー板を積んで、テレビ局に行って、会議をしたあと、すぐにレンジローバーに乗って苗場に向うんです。苗場の駐車場に夜11時頃に着くので、クルマの中で寝て、朝5時から早朝スキーをして、近くの温泉に入ってから東京に戻り、11時くらいからまた会議に出るっていう。ハードなんですけど、そういうライフサイクルでした。それがとても楽しかったですね」

アウトドアでスポーティな遊びをすることがなかったという小山さんだが、レンジローバーの購入をきっかけにカート・レースをはじめるなど、趣味の方向性がかなり変わっていったようだ。

「だからレンジローバーにはとても感謝しています。楽しい日々をレンジローバーにいただいたと思っているんですよ」

ジャケット¥100,000、ベスト¥58,000、シャツ¥43,000〈すべてBOGLIOLI/ボリオリ〉 パンツ¥39,000〈MAURO GRIFONI/コロネット〉 靴¥68,000〈Paraboot/パラブーツ 青山店〉

現在、小山さんは経営に携わる京都の名門料亭「下鴨茶寮」の駐車場にはじめて購入したレンジローバーを停めている。

「はじめてのレンジローバーから3台新しいモデルに乗り継いだんですが、やっぱりはじめて乗ったクラシックレンジローバーが忘れられなくて、いろんな手を尽くして買い戻しました。自分が乗っていたクルマそのものです。色もガンメタのまま。このクルマは、もう一生手放さないと思います」

クラシックレンジローバーを買い戻すまでVOGUEに乗っていた小山さんは、最新のVOGUEも「文句のつけようがない」と評価するのだが、モデルチェンジをしたとしても、スタイルがブレない、トレンドに左右されない、そんな哲学を感じさせるところがレンジローバーの魅力だという。

「レンジローバーはまず何よりも道具として優れています。いつどんなシチュエーションでも活躍してくれます。耐久性もあり、使い込むほどに馴染んでいく感じ。レンジローバーにはお洒落なイメージがありますが、道具としての実用性が前提にあるところが見逃せないポイントです」

これぞまさに「capability(ケイパビリティ)」。長く付き合ってきたオーナーならではの小山さんの言葉は、レンジローバーの能力の高さを証明している。使い勝手がいいからこそ、手に、身体に馴染む。おいそれと手放せるものではない。レンジローバー乗りが他に浮気をしない大きな要因がそこにあるのかもしれない。

「モダンさとは実用性。クルマにおける使いやすさは、料理における美味しさです。たとえば、『下鴨茶寮は日本料理だからこれを作らなきゃいけない』というものではなく、“美味しい”を追求しなければなりません。レンジローバーのそれは実用性に尽きます。それがあってはじめて、スタイリッシュなデザインやエレガントな内装などに価値が生まれるわけですから。芯がしっかりしていてブレない。そんなレンジローバーの普遍性には特に魅力を感じますね」

小山薫堂(こやま・くんどう)
1964年熊本県生まれ。構成作家として『カノッサの屈辱』『料理の鉄人』などを手掛け、米国アカデミー賞外国語映画賞を獲得した『おくりびと』の脚本を担当するなど、マルチに才能を発揮するクリエイター。また熊本県の人気キャラクター「くまモン」の生みの親でもある。現在、N35inc代表、オレンジ・アンド・パートナーズ代表取締役社長、下鴨茶寮主人、東北芸術工科大学企画構想学科長。

Jaguar Land Rover Limited: Registered office: Abbey Road, Whitley, Coventry CV3 4LF. Registered in England No: 1672070


※燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。実際の走行時には気象・道路・車両状態・運転・整備などの条件が異なってきますので、それに応じて燃料消費率は異なります。
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